徒然なるままに…。

自由に気ままに綴ります

2019年小説ベスト20

今年は114冊の小説に出会えてました

 

今年の読書目標は『読書の幅を広げる』でした

普段は絶対に手に取らないような本でも積極的に読もうと努めてました

 

年間何冊読もうという明確な目標はなかったのですが

さっき計算したら年114冊は約3日に1冊のペースで読んでいたと思うと自分でも驚きでした

 

たぶん今年の自分は《読書》というものを欲していて《読書》が必要不可欠な1年だったのかなとも思います

 

本という魅力的な化け物に引き寄せられている時間がとても心地良く感じられました

 

 

 

 

では2019年に読んだ小説11位〜20位です

 

 

 

 

 

11位  土の中の子供/中村文則

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・不良集団に煙草を投げボコボコにされ悪くないと思う

・虐待の末に土の中のに埋められ悪くないと思う

・暗い本を読むと救われた気がする

・恐怖を克服する為ガードレールに衝突し柔らかいものを感じる

『ただ…優しいような気がしたから』

破滅的な主人公の心情に激しく共感した

 

 

 

 

 

 

 

12位  きりぎりす/太宰治

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媚を売らない貧乏な画家が地位と名誉を手に入れ

世間に媚へつらっていく様を妻の語りのみで進んでいく

やはり太宰治の描く女性視点の一人称は大大大好物です!

太宰の独特の羞恥心と慈悲深い冷たさや温かさの描写は

自分の内面を指摘されているようだった

太宰治は短編の方が輝きを増す(長編も増すけど)

 

 

 

 

 

 

 

13位  すべて真夜中の恋人たち/川上未映子

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人と交わる事に自信がもてない女性の趣味は誕生日に真夜中の街を散歩すること

他人と本気でぶつかり合う大切さを教えられた

川上さんの文章は凛々しくも辛辣で優しくて好きです

美しい文章に触れると人に優しくしたくなる

光の話が興味深かった

この装丁は今年ベスト装丁です。なんか好きです

 

 

 

 

 

 

 

14位  最後の命/中村文則

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幼少期レイプ現場に遭遇しトラウマになり相見える2人

性的な暴力性を抑えようと葛藤する主人公とその欲望を解放する強姦魔の幼馴染

『俺も一緒に狂おうと思うんだ…一人で狂うのは嫌だろう?』

読後、重く堕ち虚無感に…悪くない。

中村文則さん感染中毒です

映画化も悪くなかったです

 

 

 

 

 

 

15位  変身/カフカ

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ある朝目覚めると巨大な虫になっていた男とその家族を描く

虫になってしまった主人公を通して家族のあからさまな嫌悪や卑劣さや残酷さが著しく現れる描写は心苦しくなった

しかし皮肉にも虫になったことで家族は団結し希望を見出し終わる

人間の真理が詰まった悲壮な小説

不朽の名作として後世に残る理由がわかる

 

 

 

 

 

 

 

16位  夏物語/川上未映子

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【命の尊厳】

生命への一般的な解釈に異論を唱える

《命と倫理》がテーマの小説

命を産む権利と産まれたくない権利との軋轢

育てたい?産みたい?妊娠したい?

その全部が入った《会いたい》という言葉に感銘

川上未映子さんの難解な問題提起に強姦された

今年1番考えさせられたテーマの小説

 

 

 

 

 

 

 

 

17位  蜜蜂と遠雷/恩田陸

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《ずーーっとドキドキした》

《ずーーっとワクワクした》

《ずーーっとハラハラした》

《ずーーっとシアワセだった》

《ずーーっと物語が続けばと願った》

文庫本2冊という長編でピアノコンテストだけの物語なのに1回も中だるみなく読めた

【音】の臨場感や色彩や温度を文章で表現できる恩田陸さんは流石です🐝

映画化も大満足でした。松岡茉優さん凄い役者ですね

 

 

 

 

 

 

 

18位  異邦人/カミュ

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社会の不条理に屈せず自分の条理を貫き

『太陽が眩しかったから』という不条理な理由で人を殺す主人公

死刑判決が下されるも【幸福を感じる】主人公に不思議と共感してしまった

本質主義実存主義の対比が顕著に出ていて

その解釈は多様にある小説で名著でした

この主人公の他者を寄せ付けない感じや

ひねくれた思考回路は自分の学生の頃を思い出した

 

 

 

 

 

 

 

19位  本屋さんのダイアナ/柚木麻子

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全く違った家庭環境で育った2人の少女が惹かれ憎しみ合う

学生特有の女子同士の心情が見事に表現されていた

『自分の呪いを解けるのは自分だけ』

自らの心に正直に生きる困難さと大切さを感じた

かなりの良作。本好きの女子にオススメ

ランキングを見るとこの小説だけ少し異質なテイストです

それだけ良かったという事です

 

 

 

 

 

 

20位  何もかも憂鬱な夜に/中村文則

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刑務官と強姦殺人で死刑判決を受けた受刑者の物語

能動。欲情。絶望。生命。

人間の暗部を極限まで掘り下げ残酷に露呈する表現は冷酷無残だったが不思議と希望も射してきた

真下の綴ったノートは震えた

中村ワールドの沼から抜け出せない

中村文則さん3作品も入っている。好きなのだから仕方がないよ

 

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いやぁ順位をつけるのは難しいですね

ても楽しくもあります

それにしても、かなり時間がかかってしまいました笑

やはり下半期に読んだ小説のほうが印象に残ってしまうのは仕方がない事だと思いますが

なるべくフラットに考えました

 

これらの作品を見ると自分の趣味嗜好や心の中が露呈されているようで少し恥ずかしいです

 

 

もし気になった作品があれば手に取ってみてください

そして感想も聞かせて欲しいです

 

小説って本当に素晴らしいですね

 

 

明日は1位〜10位の発表をします

こちらもかなり悩みましたが楽しかったです

拝読してくれると嬉しいです

 

ではまた明日!チャオ!